フローでのメール送信がどんどん便利になってきておりますが、今回も待望の機能が追加されます。
該当のリリースノートはこちらです。
◇ SALESFORCE HELP >DOCS >SALESFORCE RELEASENOTES > Salesforce Spring’25 Release Notes >Salesforcec Flow >Flow Builder Updates >Send Emails with Attachments in Flow BuilderSend Emails with Attachments in Flow Builder
Enhance your Flow Builder emails by sharing documents or files with your recipients by using Send Email action. To attach a file, provide the ID of a file to the Send Email action. The maximum size of the email created, including attachments, is 35 MB.
Where: This change applies to Lightning Experience and Salesforce Classic (not available in all orgs) in Essentials, Professional, Enterprise, Performance, Unlimited, and Developer editions.
How: In Flow Builder, in the element menu, search for and select Send Email. When you set input values, turn on the Attachment ID field, and then add the ID of the attachment. The ID can be of a Document, Content Version, or Attachment items. If you want to add more attachment IDs, enter them as a comma-delimited list.
Note:Note Using attachments in the Send Email action changes the API called by the action, which changes the daily email send limit to the General Email Limit instead of the Daily Workflow Email Limit.
↓日本語訳です。
Flow Builderで添付ファイル付きのメールを送信
メールを送信アクションを使用して、受信者とドキュメントやファイルを共有することで、Flow Builderのメールを強化できます。ファイルを添付するには、メールを送信アクションにファイルのIDを提供します。添付ファイルを含むメールの最大サイズは35MBです。
対象: この変更は、Essentials、Professional、Enterprise、Performance、Unlimited、およびDeveloperエディションのLightning ExperienceおよびSalesforce Classic(すべての組織で利用可能ではありません)に適用されます。
方法: Flow Builderで、要素メニューからメールを送信を検索して選択します。入力値を設定する際に、添付ファイル ID項目をオンにし、添付ファイルのIDを追加します。IDはDocument(ドキュメント)、Content Version(コンテンツ バージョン)、またはAttachment(添付ファイル)アイテムのものを使用できます。複数の添付ファイルIDを追加する場合は、カンマ区切りのリストとして入力します。
注意: メールを送信アクションで添付ファイルを使用すると、アクションによって呼び出されるAPIが変更され、日次ワークフローのメール送信制限ではなく、一般的なメール送信制限に変更されます。
プレリリース組織で簡単なフローを作って試してみました
シンプルで素敵な例を考えたものの思い浮かばず、なのであくまでも機能を理解するための例として受け止めていただきますようお願いいたします。
要件
ケースレコードにて「問い合わせ種別」(カスタム選択リスト項目)で「名義変更依頼(書類取り寄せ)」の値が選択され、「取引先責任者」(参照項目)にメールアドレスを持つ取引先責任者が登録された場合、「名義変更手続き書類」のファイルを添付したメールを取引先責任者のメールアドレス宛に送信します。
設定概要
レコードトリガーフローで Salesforce組織にアップロードされたファイルの ContentVersion IDを取得し、ケースレコードに紐づけられた取引先責任者あてにファイルが添付されたメールを送信します。
ポイント:ContentVersionをフロー内でゲットする
リリースノートには次のように書かれています。
IDはDocument(ドキュメント)、Content Version(コンテンツ バージョン)、またはAttachment(添付ファイル)アイテムのものを使用できます。
このうち、Lightning ユーザーの方が関係するのは「Content Version(コンテンツ バージョン)」です。Salesforce組織にアップロードされたファイルの保存と参照方法については、こちらの記事に詳しく書かれていますので、あわせてご参照ください。(キウイさんありがとうございます)
レコードのファイルを自動で削除するフローContentVersion Idは、通常の Salesforce操作画面上から取得することができません。データローダーやSOQL クエリ、Apexの使用で取得することができますが、今回はフロー内でIdを取得し、ファイルの添付が正常に行えればいいので、これらは使用しません。
作成したフロー

①開始
オブジェクトを選択 >オブジェクト:ケース
トリガーを設定 >フローをトリガーする条件:レコードが作成または更新された
エントリ条件を設定 >条件の要件:すべての条件に一致(AND)
問い合わせ種別|次の文字列と一致する|名義変更依頼(書類取り寄せ)
取引先責任者 ID|null|False
取引先責任者メール|null|False
(取引先責任者メールで事足りそうなので、取引先責任者 IDの値の有無の確認は不要かもしれないです)
更新されたレコードでフローを実行するタイミング:条件の要件に一致するようにレコードを更新したときのみ
フローを最適化:アクションと関連レコード
②レコードを取得:コンテンツバージョンを取得
レコードの絞り込みについては、適宜組織の運用にあわせて調整してください。
表示ラベル:コンテンツバージョンを取得
組織の命名ルールに則りわかりやすい名前を付けます。
API参照名:CetContentVersion
組織の命名ルールに則りわかりやすい名前を付けます。
このオブジェクトのレコードを取得 >オブジェクト:コンテンツバージョン
コンテンツバージョンレコードを絞り込み >条件の要件:すべての条件に一致(AND)
Title|次の文字列と一致する|名義変更手続き書類
IsLatest|次の文字列と一致する|True
※「IsLatest(最新)」が「True」で、最新バージョンを取得するように設定しています。
タイトルか ContentDocumentIdか ---------------------------------------

「Title(タイトル)」はファイル名ですが、←のようにファイルレコード上で確認できます。
今回はわかりやすい設定手順ということで「Title」から該当のファイルを検索していますが、「ContentDocumentId」を指定するとより確実です。
「ContentDocumentId」はファイルレコードのURLから取得できます。

フローのレコードの絞り込みにでは、↓のように設定します。

--------------------------------------------------------------------------------
③メールを送信:手続き書類を送付
今回はファイルを添付したメールが送信できるか、を確認するために設定しているので、とてもシンプルな内容です。
表示ラベル:手続き書類を送付
組織の命名ルールに則りわかりやすい名前を付けます。
API参照名:SendDocuments
組織の命名ルールに則りわかりやすい名前を付けます。
関連レコードID:トリガー Case >ケース ID
後ほど設定する「送信時にメールを記録」とあわせて、メール送信履歴をケースの活動履歴に残すようにします。
件名:名義変更書類の送付
メールの件名になります。
受信者 ID:トリガー Case >取引先責任者 ID
取引先責任者をメールの受信者(送り先)に設定します。
送信時にメールを記録:True
活動履歴にメール送信履歴を残します。
添付ファイル ID:コンテンツバージョンを取得 コンテンツバージョン > ContentVersion ID
②で取得したコンテンツバージョンのIDを指定します。
本文:手続き書類をお送りいたします。※適当です。
テストします
フローの開始条件に一致するレコードを作成します。

作成したケースレコードを確認すると、メール送信の履歴が表示されています。
フローの③「関連レコード ID」および「送信時にメールを記録」の設定の結果です。

取引先責任者のメールアドレスには、こちらのメールが届きました。ファイルも添付されています。

何度かテストしましたが、複数バージョンのあるファイルの場合、最新バージョンが添付され、想定通りの動作となりました。
ひとこと
フローのメール機能も便利になっていくなぁとは思うのですが、何せわかりづらい。フローのメールアクションの設定、もっと直観的に操作できるように変更をお願いします。プレビューでメール内容や関連レコードへの紐づけの状況もわかると素敵です。わがまますみません。でもいつかお願いします。リリースのたびに素敵な機能を追加してくれるのには本当に感謝しております。
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