※こちらは過去に公開していたブログからの移行記事です。
レポートで日付項目でグルーピングを行うとき、集計期間を「週」に設定すると、日曜始まりで集計されます。こちらを月曜始まりに変更する方法はあるのか、検証しました。
そもそもの挙動をおらさい
検証を行った環境
・個人の設定|言語とタイムゾーンで「地域」が「日本語(日本)」
(組織プロファイル「地域のデフォルト値」よりも個人の設定が優先されるため、組織情報ではなく個人の設定を確認)。
・会計年度は「標準会計年度」を指定。
事象の確認
日付項目でグルーピングし、集計期間単位を週とすると、日曜日始まりとなります。
こちらは、レポートビルダ上ではカスタマイズ不可でした。
3つの対処法
ここで、3つの対処法を考えました。
・地域の設定を変更
・カスタム会計年度を調整
・カスタム数式項目を作成
地域の設定による対応
手順
設定|組織情報 で「編集」をクリック。
地域の設定 で「地域のデフォルト値」「タイムゾーンのデフォルト値」を変更。
「地域:日本語(日本)」となっている場合、組織のカレンダー情報は日曜日始まりとなる仕様です。月曜日始まりとなる地域は「英語(イギリス)」「スペイン語(パナマ)」などがあります。「地域」の設定を「英語(イギリス)」など、カレンダー情報が月曜日始まりのものに指定することで、レポートでの集計等も月曜日始まりにすることができます。
メリット
設定が簡単です。
デメリット
影響範囲はレポートだけでなく、組織のカレンダー情報すべてに及びます!
カレンダー情報だけでなく、以下についても設定が変わることに留意しなければなりません。
日付と時刻の形式 :mm/dd/yyyy または dd/mm/yyyy
数値形式:1000 の場合 1,000 または 1.000
名前の順序 :「姓、名」または「名姓」
住所の形式 :国、郵便番号、都道府県、町名・番地
電話番号の形式 :(123) 456-7890 または +12 2345 67-0
留意事項
※「組織情報」の組織プロファイルにて「地域のデフォルト値」を変更しても、既存のユーザについては「地域」の設定が上書きされることはありません。
※「組織情報」の「地域のデフォルト値」よりも「個人の設定における「言語とタイムゾーン」での「地域」の設定が優先されます。
参考ヘルプから引用します。
◇ Salesforce >Trailblazer COMMUNITY >会社に関する情報の管理地域のデフォルト値:
組織の新規ユーザに選択されるデフォルトの国または地域。
この設定により、Salesforce の日付、時間、および名前の形式が決まります。
Contact Manager Edition、Group Edition、Professional Edition、Enterprise Edition、Unlimited Edition、Performance Edition、および Developer Edition の組織では、各ユーザが個人のロケールを設定でき、その設定は組織の設定を上書きします。
Group Edition では、この項目は [地域] となります。
Trailheadから引用します。◇ Salesforce >Trailhead >会社全体の組織設定 > 地域設定の概要Salesforce の地域の設定は、日時、ユーザの名前、住所、数値のカンマとピリオドの表示を決定します。
地域のデフォルト値はシステム管理者が設定しますが、別の場所を本拠地としているユーザは、個人の地域を設定できます。
カスタム会計年度の設定による対応
手順
1.設定 > 会計年度 でカスタム会計年度を有効化する。
2.設定 > 会計年度 の画面でカスタム会計年度の横の「新規」をクリック。
3.「会計年度の構造を選択します」画面で、テンプレートを指定。この時、カレンダー (グレゴリオ暦)を指定すると通常のカレンダー設定が優先され、週開始日は反映されない。
4 .「カスタム会計年度の定義」画面で「週開始日」を「月曜日」に指定して「保存」をクリック。
メリット
・レポートビルダにおいて、日付項目でグルーピングした際、集計期間単位を会計四半期とすると、期は月曜日始まりで集計されます。
・レポートビルダにおいて、期間条件を設定する際、範囲で当会計四半期などを選択すると、開始日がデフォルトでは月曜日となります(カスタマイズ可)。
・レポートビルダにおいて、会計年度に関わる部分では月曜日始まりとすることができます(テンプレートでカレンダー(グレゴリオ暦)を指定していない場合)。
デメリット
・売上予測等、その他の会計年度に関わる機能に影響があります。
・会計年度に関わらない部分では日曜日始まりのままです(日付項目でグルーピングした際、集計期間単位を週とすると日曜日始まりとなります)。
参考
◇ Salesforce >Trailblazer COMMUNITY >会計年度の定義◇ Salesforce >Trailblazer COMMUNITY >カスタム会計年度の定義レポート対象のオブジェクトにカスタム数式項目を作成して対応
レポートで週集計をしたい対象オブジェクトに、週集計する期間をカスタム項目で持たせ、レポートでこのカスタム項目を使って集計します。
数式項目の内容
カスタム項目のデータ型:数式
戻り値:テキスト
数式:
SUBSTITUTE ( TEXT ( ThisDate - MOD ( ThisDate - DATE (1900, 1, 8), 7 )), "-", "/" ) & " - " & SUBSTITUTE ( TEXT (ThisDate + 6 - MOD ( ThisDate - DATE (1900, 1, 8), 7 )), "-", "/" )
※"ThisDate"に、集計対象の日付のAPI名を指定
この数式により、"ThisDate"に入力されている日付の週を月曜日始まりにしたテキスト値がこのカスタム項目に設定されます。
例えば、2018年7月10日(火)の日付が"ThisDate"に入力されている場合、カスタム項目の値は「2018/07/09 - 2018/07/15」となります。
レポートではこの値でグルーピングすると、月曜始まりの単位で集計することができます。
◇ Salesforce >Trailblazer COMMUNITY >数式 サンプル 週の始まりを月曜からとする場合の代替数式項目◇ Salesforce >Trailblazer COMMUNITY >数式 ポイント集メリット
他の設定への影響がありません。
デメリット
作成と管理に数式の知識が必要、でしょうか。特に思い当たりません。
結論
「地域」や「会計年度」の設定で対処する場合、影響範囲がレポート以外にも及ぶため、カスタム項目(数式)での対応が無難と思われます。
ちなみに…
レポートビルダの期間条件:期間条件を設定する際、範囲で今週などを選択すると、開始日がデフォルトでは月曜日となります。