ゲージグラフ、目標まであとどれくらいの位置にいるかを把握するために使用することが多いですが、ここにも「動的」の波がきているようです。
◇ SALESFORCE HELP >DOCS >SALESFORCE WINTER ’22 RELEASE NOTES > Automatically Tune Your Dashboards to Your Business Goals with Dynamic Gauge Charts (Beta)Automatically Tune Your Dashboards to Your Business Goals with Dynamic Gauge Charts (Beta)
Dashboard gauge charts are awesome to track your performance and business goals, but your business is always changing. With dynamic gauge charts, you’re no longer tied to static goals or performance levels. Build your gauge chart using report metrics and field values that respond dynamically to your business. For example, a gauge chart can show how a subsidiary’s sales are doing relative to your overall business.
Where: These changes apply to Lightning Experience in Group, Essentials, Professional, Enterprise, Performance, Unlimited, and Developer editions.
NOTE This feature is a Beta Service. Customer may opt to try such Beta Service in its sole discretion. Any use of the Beta Service is subject to the applicable Beta Services Terms provided at Agreements and Terms.
How: Start by enabling dynamic gauge charts. From Setup, in the Quick Find box, enter Reports and Dashboards, and then select Reports and Dashboards Settings. Select Enable Dashboard Dynamic Gauge Charts (Lightning Experience only), and save your changes. Next, make sure that your source report is set up for the data that you want to chart. Now, pop over to the dashboard builder for your new or existing dashboard and add the gauge chart component the gauge chart icon.
In Standard mode, you can create a gauge chart with fixed values as you usually do. In Dynamic mode, you have dynamic control over the chart measure, indicated by the pointer, and the chart target, or maximum value in the chart.
For example, this chart measure is the annual contract value (ACV) for a company’s Singapore subsidiary ($150k). This value is taken from the source Account report, which was filtered to show only the data for the Singapore subsidiary. The chart target is the ACV for the overall business ($640k), which is taken from the ACV field on the Account record for the parent company. To be in the green (excellent) range, the subsidiary must account for at least 50% of the company’s total ACV. The actual performance is in the red zone, so the team in Singapore has work to do. Because the chart is dynamic, any improvements in the Singapore team’s performance are automatically reflected in the chart.
For successful dynamic gauge charts, keep these points in mind:
・Your source reports must be set up with the groupings, metrics, and filters that you want to reflect in the gauge charts.
・The target segment values for a dynamic gauge chart are always percentages. (For standard gauge charts, the segment ranges are fixed numeric values.)
↓日本語訳です。
動的ゲージチャートでダッシュボードをビジネスゴールに合わせて自動調整(ベータ版)
ダッシュボードのゲージチャートは、パフォーマンスやビジネス目標を把握するのに最適ですが、ビジネスは常に変化しています。ダイナミックなゲージチャートがあれば、静的な目標やパフォーマンスレベルに縛られることはありません。レポートメトリクスと項目値を使用して、ビジネスにダイナミックに対応するゲージチャートを構築できます。例えば、ある子会社の売上がビジネス全体に対してどのような影響を与えているかを示すことができます。
対象:Group、Essentials、Professional、Enterprise、Performance、Unlimited、Developer エディションの Lightning Experience に適用されます。
備考:この機能はベータサービスです。お客様は、独自の判断で当該ベータサービスの試用を選択することができます。ベータサービスの利用には、「契約と規約」に記載されている該当するベータサービス規約が適用されます。
方法:まず、ダイナミックゲージチャートを有効にします。「Setting(設定)」からクイック検索ボックスに「Reports and Dashboards(レポートとダッシュボード)」と入力し、「Reports and Dashboards Settings(レポートとダッシュボードの設定)」を選択します。「Enable Dashboard Dynamic Gauge Charts (Lightning Experience Only) (Beta)(ダッシュボードのダイナミックゲージチャートを有効にする(Beta))」を選択し(Lightning Experienceのみ)、変更を保存します。次に、グラフ化したいデータのソースレポートが設定されていることを確認します。次に、新規または既存のダッシュボードのダッシュボードビルダーに移動し、ゲージチャートのコンポーネントをゲージチャートアイコンに追加します。
スタンダードモードでは、通常のように固定値でゲージチャートを作成することができます。ダイナミック・モードでは、ポインターで示されるチャート・メジャーと、チャート・ターゲット、つまりチャートの最大値をダイナミックにコントロールできます。
例えば、このチャート・メジャーは、ある企業のシンガポール子会社の年間契約額 (ACV) (15万ドル) です。この値は、シンガポール子会社のデータのみを表示するようにフィルタリングされた取引先のソースレポートから取得されています。チャートの目標は、ビジネス全体のACV(64万ドル)で、これは親会社の取引先レコードのACV項目から取得されます。緑(優秀)の範囲に入るためには、子会社が会社全体のACVの50%以上を占めていなければなりません。実際のパフォーマンスはレッドゾーンなので、シンガポールのチームにはやるべきことがあります。このチャートは動的なものなので、シンガポールチームのパフォーマンスが向上すれば、自動的にチャートに反映されます。
ダイナミック・ゲージ・チャートを成功させるには、以下の点に注意してください。
・ソースレポートには、ゲージチャートに反映させたいグルーピング、メトリクス、フィルタが設定されている必要があります。
・ダイナミック・ゲージ・チャートの対象セグメント値は常にパーセンテージです。(標準的なゲージチャートの場合、セグメントの範囲は固定の数値です)。
ちょっと読んだだけではわからなかったので、実際に触ってみました。
なお、日本語訳が予想できるものは日本語訳を書いていますが、実際の訳とは異なる可能性もありますので、何卒ご了承ください。
プレリリース組織で確認
機能を有効化
ベータ版の機能を使用する際は、ほとんど有効化が必要になります。今回も「レポートおよびダッシュボードの設定」画面で、「Enable Dashboard Dynamic Gauge Charts (Lightning Experience Only) (Beta)」にチェックを入れて保存します。
ソースレポートの準備
さて、適当なレポートを用意しておきます。今回は商談のレポートです。
プレリリース組織にあったレポートに少し手を加えてを再利用させていただきました。
・完了予定日は当会計四半期(7/1~9/30)を指定しています。
・商談のフェーズが成立したものに絞り込んでいます。
・取引先名(行)と完了予定日(列)でグルーピングしています。
・グルーピングを追加して、レコードの件数と金額を集計しています。
参照するレコードを作成
ゲージで値を参照するレコードが必要かなと思いましたので、商談で「今期目標」という、予算金額を「金額」に入力したレコードを作成しました。
※テストなのでフェーズもレコードタイプも整備していませんが、実際は予算管理用のフェーズとレコードタイプを用意して、実績管理と混同しないようにしたほうがいいです。
ダッシュボードでコンポーネントの設定
適当なダッシュボードでコンポーネントを追加してみます。
先ほどのレポートを選択して……
ゲージグラフを選択し、「Mode」で「Dynamic」を選択します。
「Chart Measure(基準)」では「金額」の合計を選択してみました。
「Chart Target」では、「商談」オブジェクトの「今期目標」というレコード名のレコードの「金額」を設定しました。
ちなみに「Target Segments(表示単位)」はもともと設定してあった値「Shortened Number(短縮数値)」をそのまま流用しています。
とりあえず、【追加】をクリックして、ダッシュボードを保存します。
ゲージグラフを確認します。
ソースレポートでの、今期の成立商談の合計金額が \1,050,000
「今期目標」の商談レコードの金額が \50,000,000
1,050,000 / 50,000,000 = 0.021なので、2%であっています。
で、動的に変化する=「Chart Target」で指定した値が変更されると、ゲージグラフの値も変わるということですね。
「今期目標」の金額を \10,000,000 に変更すると、ゲージも変わりました。
1,050,000 / 10,000,000 = 0.105 なので 四捨五入して11%ですね。
Swapで値を入れ替え
ここまでやってみて、「でも、レポートで集計した値のほうが大きくなって、ゲージの上限値に指定するケースもありそうだよなぁ」と思い、コンポーネントの編集画面の【Swap】をクリックしてみたところ、上限値と集計値が入れ替わりました!(言い方がこれであっているのかわかりませんが……)
入れ替えて計算すると、
10,000,000/1,050,000 = 9.5238 になりますね。
使い途はいろいろあるかも
最初は「まー面白いけど、データの入れ方にもよるかもなぁ……」という感想だったのですが、上限値と集計値を入れ替えられること、カスタムオブジェクトを含む他のオブジェクトのレコードの値を持ってこられるようなので、急いでゲージグラフで出さなくてはならない値がある場合は便利だと思いました。
今回、素敵な活用例が浮かばなかったのですが、データの構成によってはこの機能を活かせるケースもたくさんあるかと思いますので、皆さまにも是非お試しいただきたいです。
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更新①:2023年8月16日