Sandboxとは、みなさんが普段使っているSalesforce組織(本番環境)をコピーした組織です。
本番組織とは異なる組織ですので、変更を加えても本番環境には影響しません。そのためDeveloperという種別のSandboxで自動化機能をテストをしたり、予期せぬ変更に備えてメタデータをバックアップを取っておく環境として使用されているかと思います。
このDeveloper Sandboxには(「ユーザ」や「価格表」・「商品」レコードを除く)レコードデータは登録されていません。しかし本番環境への変更過程では生データに近いデータにて挙動を検証する必要があります。そういった際に使用するのが、Partial Copy Sandboxです。
Partial Copy Sandboxは「Enterprise Edition」または「Unlimited Edition」で使用が可能で、デフォルトで1組織毎に1つ作成することが可能です。
Salesforce社ヘルプ:
種類別 Sandbox ライセンスおよびディスク使用制限Partial Copy Sandboxは、Developer Sandboxに含まれているメタデータ(レポート・ダッシュボードも含む)や「ユーザ」・「価格表」・「商品」レコードのほかに「テンプレート」で指定したオブジェクトの「一部のレコード情報」を含んでいます。
含まれるレコードの詳細は下記のSalesforce公式ヘルプサイトをご確認ください。
Salesforce社ヘルプ:
Partial Copy Sandbox の作成とリフレッシュに関する考慮事項 Partial Data Sandbox 更新時にコピーされるレコードそのほか、Developer Sandboxとは異なりPartial Copy Sandboxの一度作成/更新を行うと5日間リフレッシュができませんので注意が必要となります。
「テンプレート」という言葉を聞くと大仰な作業を想像するのですが、簡単に作成することができます。今回はテンプレートの作成を含み、実際にPartial Copy Sandboxを作成します。
Partial Copy Sandbox の作成1.Sandboxの設定画面を開きます。
パス:歯車マーク>設定>環境>Sandbox
2.「Partial Copy」が緑の字で「作成可能」となっていることを確認し、「Sandboxテンプレート」タブをクリックします。
テンプレートがない場合は、「☆Sandboxテンプレートの作成」に進みテンプレートを作成します。
既存のテンプレートがある、もしくはそのテンプレートを使用する場合は、「☆Partial Copy Sandboxの作成」に進みSandboxを作成します。
☆Sandboxテンプレートの作成3.【新規Sandboxテンプレート】ボタンをクリックします。
4.「名前」と「説明」を入力します。
※「名前」は英数字のみ入力可能です。
「説明」はどのオブジェクトがテンプレートに含まれているのかを
書いておくと、テンプレートの指定がしやすくなります。
5.「新規の Sandbox にコピーするオブジェクトを選択してください。」セクション
でテンプレートに含むオブジェクトを指定します(選択済みにチェックをいれます)。
オブジェクトの指定は標準オブジェクトとカスタムオブジェクトで挙動が若干異なります。
①オブジェクト名は、標準オブジェクトは「表示ラベル」、カスタムオブジェクトは「API参照名」で表示・検索されます。
②標準オブジェクトの場合、オブジェクトを選択すると関連する「必須オブジェクト」も一緒に追加されます。
③カスタムオブジェクトの場合、「主従関係」の子オブジェクトを選択すると、必須オブジェクトとして、親オブジェクトが一緒に追加されます。
「参照関係」の子オブジェクトを選択しても、親オブジェクトは追加されません。別途選択する必要があります。
6.検索ボックスを空欄にし、[選択済みを表示]リンクをクリックします。
選択したオブジェクト一覧が表示されます。
選択したオブジェクトに問題がない場合、【保存】ボタンをクリックします。
7.Sandboxテンプレートの一覧が表示されます。
テンプレートの内容を変更したい場合はテンプレート名の横にある
[編集]アクションをクリックします。
☆Partial Copy Sandboxの作成1. テンプレート名の横にある[新規 Sandbox]アクションをクリックします。
※Sandboxの設定画面の【新規 Sandbox】ボタンからも作成可能です。
2.名前と作成元(本番)を設定し、「Partial Copy」の欄の【次へ】をクリックします。
3.「Sandoboxテンプレート」を指定し、【作成】ボタンをクリックします。
4.Sandboxが作成されるとメールが届きます。
リンクをクリックし、Sandboxにログインします。
(パスワードは本番環境と同じパスワードです。)
以上です。
テンプレート作成は事前のリレーションの整理が詳細に及ぶまで必要かな、と考えていたのですが、標準オブジェクトの場合必要なオブジェクトも自動で選択されますし、カスタムオブジェクトでも主従関係の子を選択した場合は自動で親も選択してくれたりと、致命的なエラーは起こさないことになっていることに安心しました。
テストの際には必要になってくるSandbox、用途に合わせて使いこなしたいですね。