「
Summer'23 モバイルで動的フォームが使えるように(ベータ版だけれども)」で、一度書いた文を訂正しましたが、いったいどのような仕様になっているのか、あらためて確認し、整理してみました。
なお、「「モバイル」のフォーム」というような書き方をしているときは、Lightningページのフォームでは「電話」が選択されているときを意味します(統一とれていなくてすみません)。
最初に、結論を書いておきます。あとでもう一回出てきますが、はじめに言っておきます。
結論
モバイルで動的フォームを使用したい場合は、
「モバイルの動的フォーム (ベータ)」を有効化し、Lightningページ上で[レコード詳細 - モバイル]コンポーネントを削除します。動的フォームの設定は[項目セクション]で行います。
「レコード詳細 - モバイル」コンポーネントを配置すると、動的フォームの設定はモバイルに適用されません。
関連する用語のおさらい
個人的に混同しがちなので、ひとつずつ確認します。
まずは、こちらページを参考に、用語の復習を行いました。
◇ SALESFORCE ヘルプ >ドキュメント >コードではなくてクリックによる SALESFORCE の拡張
>動的フォームとモバイル[レコードの詳細] コンポーネント
・デスクトップおよび電話フォームで、レコードの詳細画面を表示します。
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[項目セクション]
・基本的に、デスクトップ専用のコンポーネントです。
[レコードの詳細]コンポーネントを動的フォームに移行する際(「アップグレードに関する問い合わせ」移行の手順に進んだとき)、[項目セクション]と[項目]コンポーネントに分割されます。
右側の設定画面でも、「項目セクション」と表示されています。
・ただし、デスクトップとモバイルの両方をサポートするページの場合、モバイルでも設定内容が動作します(表示されます)。
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[項目コンポーネント]
・[項目セクション]同様に、基本的にはデスクトップ専用のコンポーネントです。「項目セクション」に格納されている、各項目のことを指します。
[レコードの詳細]コンポーネントを動的フォームに移行する際、[項目セクション]と[項目]コンポーネントに分割されます。
・ただし、デスクトップとモバイルの両方をサポートするページの場合、モバイルでも動作します(表示されます)。

[レコード詳細 - モバイル] コンポーネント
・モバイルのみでレコード詳細画面を表示します。
・動的フォームに対応したレコード詳細画面をモバイルユーザに表示します。
・デスクトップと電話の両方をサポートするレコードページを動的フォームに移行すると、[レコードの詳細] コンポーネントの項目がモバイル専用として[レコード詳細 - モバイル]コンポーネントに格納されるため、[レコード詳細 - モバイル] コンポーネントが自動的に追加されます。

考慮事項を確認
考慮事項に[いてもいま一度確認しました。
◇ SALESFORCE ヘルプ >ドキュメント >コードではなくてクリックによる SALESFORCE の拡張 >動的フォームのヒントと考慮事項モバイルでの動的フォームに関連すると思われるところを引用します。
一般的なヒント
・同じページに [レコード詳細] コンポーネントと[項目セクション]の両方を追加しないことをお勧めします。両方を追加すると、ユーザには次のようなページに関する問題が発生する場合があります。
・保存バーとキャンセルバーの両方がページにあり、両方がインライン編集で使用される場合、複数の保存バーとキャンセルバーが重複する。
・[項目] コンポーネントと [項目セクション] コンポーネントの表示ルールが正常に機能しない。
・ユーザがレコードを作成、編集、またはコピーしたときに、表示される項目が [レコード詳細] ではなくページの [項目セクション] から取得される。
・項目セクションが上から下、左から右へのタブ順序のみであるのに対して [レコード詳細] が左から右、上から下へのタブ順序であるため、混乱を招くおそれがある。結果として、[レコード詳細] 項目が横並びになるのに対して [項目セクション] 内の項目が横並びにならない場合があります。
モバイルのヒント
・モバイル専用の Lightning ページには [項目セクション] コンポーネントを配置しないでください。[項目セクション] コンポーネントはデスクトップ専用であり、ページを電話で表示したときには表示されません。
・デスクトップと電話用に 1 つの Lightning ページを使用できます。[レコード詳細 - モバイル] コンポーネントを [項目セクション] コンポーネントと一緒に同じページに追加します。デスクトップユーザには [項目セクション] コンポーネントが表示され、モバイルユーザには [レコード詳細 - モバイル] コンポーネントが表示されます。
メモ
モバイルの動的フォーム (ベータ) では、モバイルユーザにデスクトップユーザと同じ環境が提供されます。これらのモバイルに関する考慮事項を回避するには、Salesforce モバイルアプリケーションの [設定] で [モバイルの動的フォーム (ベータ)] を有効にします。
「モバイルでの動的フォーム(ベータ)」を有効化しているときのメッセージ
〔設定 >Salesforce モバイルアプリケーション〕にて「モバイルでの動的フォーム(ベータ)」を有効化していて、Lightningページ編集画面で「電話」フォームで[レコード詳細 - モバイル]コンポーネントを追加すると、次のメッセージが表示されます。
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このコンポーネントでは、動的フォームが有効でモバイルでの動的フォームのページが無効になっている場合にモバイルデバイスのLightningレコードページで表示されます。
モバイルでの動的フォームのベータを有効にした場合は、モバイルデバイスで動的フォームが表示されるようにこのデバイスを削除してください。
つまり、モバイルで動的フォームを使用したい場合は、こちらのコンポーネントは不要、ということです。
結論
モバイルで動的フォームを使用したい場合は、
「モバイルの動的フォーム (ベータ)」を有効化し、Lightningページ上で[レコード詳細 - モバイル]コンポーネントを削除します。動的フォームの設定は[項目セクション]で行います。
「レコード詳細 - モバイル」コンポーネントを配置すると、動的フォームの設定はモバイルに適用されません。
注意事項!・同じデスクトップの設定が重複するため、同じページに [レコード詳細] コンポーネントと[項目セクション]の両方を追加しないようにします。
・[項目セクション] コンポーネントはデスクトップ専用で機能しないため、モバイル専用フォームの Lightning ページには [項目セクション] コンポーネントを配置しません。
ひとこと
ヘルプの関連ページを読めば読むほどわからなかったので、検証してあらためて記事にしてみました。モバイルorデスクトップ、動的フォーム設定の有無、設定がレイヤーのようになって複雑になっていきますが、しっかり目的を見失わずに効率的に作業したいものです。
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