Salesforceでは各レコードに18桁のSalesforceIDが割り当てられますが、
頭の3桁はキープレフィックスといいオブジェクト毎に固定の数字になっています。
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エンティティキープレフィックスデコーダSalesforce IDについて詳しくは弊社ブログの記事をぜひどうぞ。
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Salesforce IDの15桁と18桁の違いとは?例えば取引先レコードのSalesforceIDはどの組織も必ず001から始まります。

代表的な標準オブジェクトのプレフィックスは下表の通り。
001 | 取引先 |
003 | 取引先責任者 |
005 | ユーザ |
006 | 商談 |
00Q | リード |
00T | ToDo |
00U | 行動 |
500 | ケース |
カスタムオブジェクトの場合もオブジェクト毎にa01やa03のようにaXXの形式でキープレフィックスが決まっています。こちらもレコードのURLから容易に確認することができます。
例)レコードのURL:https://mydomain.lightning.force.com/lightning/r/CustomObject__c/
a0j5h000001SvQEAA0/view
⇒
a0jがこのオブジェクトのプレフィックス
『レコードIDの頭の3桁でオブジェクトが決まる』このことを覚えておくと、『複数のオブジェクトに紐づき得るレコード』についての分析や自動化の際に活用できます!
活動の関連先をわかりやすく可視化したい
複数のオブジェクトに紐づき得る、が、表立ってわかりやすいのが活動の「名前(WhoID)」「関連先(WhatId)」項目です。
名前(WhoID)はリードあるいは取引先責任者に紐づき、関連先(WhatId)は活動が許可された様々なオブジェクトに紐づきます。

オブジェクトそれぞれの活動分析については「○○(オブジェクト名)が関連する活動」レポートタイプでレポートを作成することで把握ができますが、もっと大局的な視点で、組織でどのオブジェクトに対しての活動が多いのか?をプレフィックスを活用して可視化してみました。
下準備:「活動」オブジェクトにカスタム数式項目を作成データ型:数式
数式の戻り値のデータ型:テキスト
数式:
CASE(LEFT(WhoId,3),
003,"取引先責任者",
00Q,"リード",
)
&
IF(NOT(ISBLANK(WhoId))&&NOT(ISBLANK(WhatId)),"-","")
&
CASE(LEFT(WhatId,3),
001,"取引先",
006, "商談",
500, "ケース",
0XB,"リストメール",
"その他")
※他に活動の対象オブジェクトがあれば
"その他"の前に「プレフィックス3桁,"オブジェクト名",」の形式で追加します
いざ、レポート作成「ToDoと行動」レポートタイプで作成した数式項目(関連先オブジェクト)を追加してみると、


何についての活動なのかわかりやすくなりました。
「関連先オブジェクト」を項目化したことでグルーピングができるので、割合もこの通り円グラフで一目瞭然です。

おまけ:自動化でのユースケース
私が初めてプレフィックスを意識して使用したのは「リードに対しての活動の記録が作成されたら○○したい」というご要件をプロセスビルダーで実装した時でした。『「関連先ID」「次の文字列で始まる」「00Q」』という条件設定ですね。
メールtoケースのメール受信をトリガにしたり(EmailMessageのRelatedToIdが500(ケース))、 行動とTodoで極々一部だけ異なる画面フローを1つのフローから出し分けてみたり(recordIdが00U(行動)/00T(Todo))…といったちょっとマニアック?な自動化の設定でも「次の文字列で始まる」+プレフィックスの活用処がありました。経験を積むほどに、Salesforceでは様々なオブジェクトが参照項目で繋がって動いているのだな、と実感しています。
関連記事:プレフィックスで自動化の適用範囲を制御する例
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保留にしている承認者へリマインダーメールを送信したい承認申請の対象レコード:ProcessInstanceWorkitemレコードの「TargetObjectId」
・
ファイルを添付したら添付ありチェックを入れたいファイルの添付先:ContentDocumentLinkレコードの「LinkedEntityId」