「Winter’24のフローでカスタムエラーが設定できるようになる」と言われましても、実際どういうときに便利なのか思い浮かばなかったのですが（複雑なフローのときにユーザーを誘導するために使うのかな、というぼんやりした感じ）、先にリリースされた海外の方の作成された動画やブログなどを拝見したところ、「なるほどね！」とちょっと掴めてきた気がするので、ようやく記事にしました。

つまり、

今までできなかった（もしくはひと手間かかった）入力規則と重複管理のようなことがフローでわりと簡単にできちゃうよ！

ってことかと。

※「カスタムエラーで主従関係の子レコードがあるときは親レコードを削除させない」でもカスタムエラーの活用例をご紹介しておりますので、ぜひこちらもご確認ください。

該当のリリースノートのページはこちらです。

◇ SALESFORCE ヘルプ＞ドキュメント＞SALESFORCE リリースノート＞Salesforce Winter '24 リリースノート＞Salesforce フロー＞Flow Builder ＞Flow Builder の更新＞実現したIdeaExchangeレコードトリガーフローでのカスタムエラーメッセージの作成

この機能の要点をまとめると、こんな感じです。

・レコードトリガフローの保存前フロー（高速項目更新）と保存後フロー（アクションと関連レコード）で使用できる。
・レコードページ全体、または特定の項目のインラインエラーとして表示するかを選べる。
・関連付けられたレコードの変更はロールバックされる。
・カスタムエラー要素の後に追加された要素はロールバックされない。

プレリリース組織で試してみました

前提

カスタムオブジェクト「生徒」では、所属する校舎ごとにレコードタイプ（「丸の内校」「新宿校」）で分けて管理を行っている。

やりたいこと

カスタムオブジェクト「生徒」で、次の値が一致していれば重複と見なし、レコードを作らせずにエラーメッセージを表示して確認を促したい。
・姓
・名
・郵便番号
・レコードタイプ

ポイント

標準機能の一致ルールではレコードタイプはサポートされていないため、フローのカスタムエラーを使ってレコードタイプもまとめて確認し、重複レコードの作成を防ぐ。

参考：検証！「レコードタイプの異なる場合は一致とみなさない」一致ルールは作成できるか？

作成したフロー

フローの全体図です。

カスタムエラーの要素以外は、ポイントに絞って説明します。
①開始
「生徒」のレコードが作成されたとき

②レコードを取得：生徒の情報を取得
次の値が作成したレコードと一致する既存のレコードを取得します。
・姓
・名
・郵便番号
・レコードタイプ

③ ②に当てはまるレコードがあった場合は「Yes」、当てはまらない場合は「No」になるよう決定要素を設定します。

④カスタムエラーの要素を追加して、次のように設定します。
ちなみに、エラーメッセージはひとつのカスタムエラー要素に2個以上設定でき、【＋エラーメッセージを追加】をクリックして追加します。

テストします

こちらの生徒さんのレコードと、次の情報が同じレコードを作成します。
・姓
・名
・郵便番号
・レコードタイプ

結果は……エラーになりました！

今度は、レコードタイプのみ違うレコードを作成してみると、ちゃんと保存できました。
レコードタイプが異なる場合は一致と見なさないように設定できています。

ちなみに、「項目のインラインエラーとして」設定してみるとこんな感じです。

ひとこと

オリジナルで面白くて役に立つ設定例がないかあれこれやっていたのですが、いいのが思い浮かばず、そういえばと「検証！「レコードタイプの異なる場合は一致とみなさない」一致ルールは作成できるか？」を思い出して試してみました。
他の方も言及されていますが、実は絶対覚えておきたい設定例もあるので、時間があれば今週中に記事にしたいと思っています。

参考

■ Youtube ＞SFDC Girl ＞How to use Custom Error Element in Flow 📊| Winter '24 Update
■ asagarwal.com ＞Step by Step Guide to “Custom Error” in Record-Triggered Flow

Winter'24 フローのカスタムエラーでは、複雑な入力規則や重複管理のようなことができるよ！