本番環境リリース後に、フローの一部分のみを変更することはあると思いますが、変更内容によっては、フローの全パターンのテストを実施するような内容ではないことがあると思います。
フローの全バージョンのメタデータを取得したいと思ったきっかけは、まさに割り当て要素に1項目を追加するだけの変更だったため、初回リリース時と同様のテストケースすべてを実施せずに、変更箇所のみのテストにできないかな、と思ったからです。
フローのメタデータをコンペアツールなどで比較して、変更箇所を明示できれば、それを根拠にテストの範囲を変更箇所のみにしようと考えました。
また、Winter'24から要素の入力値が自動で保存されるようになって、意図しない変更がされてしまう可能性もありますので、変更時のチェックにも使えるかなと思います。
今回はそのときに見つけたSalesforce workbenchを使用したフローの全バージョンのメタデータを取得する方法を備忘録として記事にしました。
⚠️注意
・Workbench は無料で使用できますが、Salesforce.comの公式製品ではありません。
・Workbench は、Salesforce.comのサポート対象製品ではありません。
・Workbenchは正式にテストまたは文書化されていません。
・Workbench に関する質問や支援については、
Workbench サポート (英語) を参照してください。
・管理パッケージのフローはこちらの手順ではダウンロードできません。
・こちらの手順ではアンケート(Survey )のメタデータも含まれます。
フローのメタデータの取得手順
※上記、注意事項をご確認の上、自己責任でご利用をお願いします。
1.
Workbenchサイトにアクセスします。
2.「Environment」でProduction(本番)、またはSandboxを選択し、「I agree to terms of service」にチェックを入れて、[Login with Salesforce]ボタンをクリックします。
※上記の注意事項と同様の内容が、英語ですが記載されています。

3.メタデータをエクスポートしたいSalesforceにログインします。
※すでにSalesforce組織にログインしているブラウザでWorkbenchを実行している場合は自動的に接続されます。

4.[許可]をクリックします。

5.上部の[migration]をクリックし、[Retrieve]をクリックします。

6. マニフェストファイル(Package.xml)を作成します。
※フローの全バージョンのメタデータを取得する場合のマニフェストファイルは、以下のサンプルから作成してください。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <Package xmlns="http://soap.sforce.com/2006/04/metadata"> <types> <members>*</members> <name>Flow</name> </types> <version>42.0</version> </Package> |
①メモ帳に上記サンプルをコピーし、貼り付けます。

②任意の場所に、拡張子「.xml」をつけて保存します。

7. [ファイルを選択]をクリックして、6.で作成したマニフェストファイル(Package.xml)を選択します。

8.「Single Package」にチェックを入れて(入れなくても問題ない)、[NEXT]をクリックします。

9.[Retrieve]をクリックします。

10.結果が表示されたら、[Download ZIP File]をクリックしてダウンロードします。
※フローやプロセスビルダーの件数が多いと結果の表示に時間がかかります。

11.ダウンロードしたZipファイルを展開し、flowsフォルダから必要なフローのデータを確認します。
ファイル名はAPI参照名で、末尾にバージョンが付けられています。
展開したフォルダはこんな感じです。
上の2件はアンケート(survey)です。

管理パッケージ以外のフローはこの組織では2つです。
①のフローはバージョンは2つで、②のフローはバージョンは1つです。

さいごに
この手順を探して、初めてWorkbenchを使ったので、他の詳しい使い方などはわかっていません。
もし、Workbenchをお使いの方で便利な機能や、手順に補足などがありましたらコメントや記事投稿でお知らせいただけると幸いです。