はじめに
フローでどのように無効化するのかを試したことがなく、調べましたが該当する記事が見つからなかったので、実際に試した結果と、パートナーユーザーを無効化した際の挙動についても記載していきたいと思います。
パートナーユーザーを手動で有効化にする方法については以下の記事をご覧ください。過去記事:想定と違った、、、パートナーユーザ作成と代理ログイン方法検証
以下の4点の検証を行いました。
①パートナーユーザーの無効化の判断となる項目はどれか?
②パートナーユーザーを無効化するフローの作成
③フローで発生したエラーとその対策は?
④無効化した際のパートナーユーザーの挙動は?
①無効化の判断となる項目はどれか?
はじめに無効化の判断となるどの項目なのか、探すところから始めました。
パートナーユーザーを有効化・無効化する際は取引先責任者レコードから行うため、取引先責任者のオブジェクトマネージャーの項目とリレーションで"有効"、"無効"をキーに探しましたが、該当と思われる項目は見つけられませんでした。


次に取引先責任者レコードにてパートナーユーザーを有効化した際、ユーザーレコードが作成されるため、ユーザーのオブジェクトマネージャーの項目とリレーションで同様に探したところ、「
ポータル有効」項目という項目がありました!
こちらの項目をフローで操作してみたいと思います。

②パートナーユーザーを無効化するフローの作成
<事前準備>
今回はデフォルトのパートナーユーザーを無効化ボタンを使用するのではなく、新たに取引先責任者にチェックボックス型の「解除」項目を作成し、ページレイアウトに配置しました。
こちらの項目が"True"に更新された時を無効化のトリガーとします。

<フローの仕様>
フローの仕様としては、取引先責任者の「解除」項目がTrueになった時、ユーザーの取引先責任者が一致するレコードが存在していれば、そのユーザーレコードの「ポータルを有効」項目をFalseに更新するフローを作成します。
<開始条件>
取引先責任者の「解除」項目がTrueに更新された時を開始条件に指定します。
※こちらの開始条件のみではエラーが発生するため、実際に作成される際は、「③フローで発生したエラーとその対策は?」の部分を先にご覧いいただければと思います。<ユーザーレコードの取得>
ユーザーの取引先責任者とトリガーとなる取引先責任者が一致、プロファイルIdがPartner Community Userと一致するレコードを取得します。

補足:ユーザーのプロファイル、取引先責任者はこの部分です。
<ユーザーレコードの取得の確認>対象のパートナーユーザーがいることを前提としていますが、取得できなかった場合は、処理を停止する仕様にするため、念のためユーザーレコードの取得ができたか確認する分岐を入れます。

<ユーザーレコードの更新>
ユーザーレコードIdと取得したユーザーレコードと一致するレコードに対して、「ポータルを有効」項目を更新します。

<作成したフローの全体図>

③フローで発生したエラーとその対策は?
フローを有効化し、取引先責任者の「解除」項目をTrueに更新します。
エラーが発生します。。。

<変更箇所>
検索するとApex等での対応について記載がありましたが、コードを書かずに設定を行うため、フローの開始条件の"非同期"というキーワードをも基に開始条件の"トリガーレコードの元のトランザクションが正常にコミットされた後に外部システムにアクセスするには、非同期に実行パスを含めます"にチェックをいれてみます。
Saleforce Developers:
DML 操作で同時に使用できない sObject
<修正したフローの全体図>
上記対応後、各要素を非同期に実行側に移しました。

再度、取引先責任者の「解除」項目をTrueに変更したところ、エラーは生じずパートナーユーザーが無効化となっていることを確認しました。
④無効化した際のパートナーユーザーの挙動は?
<パートナーユーザーが無効化される前の取引先責任者レコード>

<パートナーユーザーが無効化された後のユーザーレコード>
ユーザー名の前に"_"が付与され、有効のTrueが外れ、取引先責任者のブランクになっていることが確認できました。
Help:
カスタマーポータルユーザー、およびコミュニティユーザーの無効化を行った場合の挙動
今回の検証にあたり
今回はデフォルトの無効化ボタンを使用するのはなく、単に作成した項目を無効化のトリガーに置き換えた形となり、フローで無効化ができるかの検証とその際に生じる可能性のあるエラーの共有になります。
実用例としては、ページレイアウトにデフォルトのパートナーユーザーの有効化・無効化ボタンを配置させたくない場合や取引先責任者のリストビューなどで一括で解約させたい場合などの運用に合わせて活用いただければと思います。
ご覧いただきありがとうございました。