レポートのユニークカウント、Winter’20でリリースされたときは「これでカウント用のカスタム項目を作る必要がなくなる!」と狂喜乱舞したのですが、まだカウント項目との縁は切れないことが判明しました。
ユニークカウントは、「-」も「1」と数えているよ
ユニークカウントを使用するとき、必ず値のある(オブジェクトAに関連するオブジェクトBのレコードが必ず存在する)レポートタイプを使用するか、「-」を検索条件で排除したレポートを見ていたので、あまりこの仕様について意識することもなかったみたいです。
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「-」が出るレポートで「ー」を数えずにユニークカウントをしたいときは、カウント項目に助けてもらいます
「カウント項目」が正式名称なのかは自信がないのですが、Salesforceに長く関わっている方は皆さまこのような項目を作ったことがあるのではないでしょうか。レコードのユニークな数をカウントしてレポート上で確認するために作成するカスタムの数式項目のことを、「カウント項目」と呼んでいました。この項目を使用すると、「ー」は集計されません。
項目の内容はいたって簡単です。
カスタム項目のデータ型:数式
戻り値のデータ型:数値
小数点の位置:0
数式:1数式の欄には「1」を入れるだけです。
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設定例
ユニークカウント+カウント項目を使ったレポートの例もついでにご紹介します。やや複雑になっていますが、大事なことは
「「-」を数えたくないときはカウント項目を作ってみる」「軸となるオブジェクトのカウント項目を作成する」の2つです。
やりたいこと
前提
次の3つのカスタムオブジェクトがあります。
・Beauty Adviser ※テキスト項目でアドバイザー名を管理。
・カウンセリング情報
・顧客情報
リレーションは図ののとおりに設定しています。いずれも参照関係です。
Beauty Adviserは複数の顧客を持ち、またカウンセリングも複数回行います。
![](/upload/downLoad?key=asama/forum_496004368315715584/main/1627464119.jpg)
レポートで確認したい情報
次の情報を、ひとつのレポートで確認したいです。
・各Beauty Adviser が担当している顧客の数(顧客情報のユニークなレコード件数)
・各Beauty Adviser が実施したカウンセリングの数(カウンセリング情報のレコード件数)
・各Beauty Adviser がカウンセリングを実施した顧客の数(カウンセリング情報のある顧客レコードのユニークな件数)
必要な設定
・Beauty Adviserとカウンセリング情報オブジェクトにカウント項目を作成する。
・「カウンセリングの有無を問わない顧客情報」のカスタムレポートタイプを作成する。
・カスタムレポートタイプにて、カウンセリング情報のセクションへ参照先からBeauty Adviserのカウント項目を追加する。
すべての手順を書くと長くなってしまうので、ポイントに絞って書きます。
カウント項目の用意
Beauty Adviserとカウンセリング情報のそれぞれに、カウント項目を作成します。
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レポートタイプの作成
主オブジェクトに「顧客情報」を指定し、「カウンセリング情報」と関連付け、「「A」レコードには関連する「B」レコードの有無は問いません」を選択します。
![](/upload/downLoad?key=asama/forum_496004368315715584/main/1627467505.jpg)
【レイアウトを編集する】をクリックし、右側の「参照」で「カウンセリング情報項目(参照先)」を選択して、その下の「参照先の項目を追加」をクリックします。
先ほど作成したBeauty Adviserのカウント項目「BAカウント」にチェックを入れて【OK】をクリックし、保存します。
![](/upload/downLoad?key=asama/forum_496004368315715584/main/1627468051.jpg)
レポートの作成
・Beauty Adviser のAdviser名(テキスト項目)で行をグルーピングします。
・顧客情報のレコード名で「ユニークカウントを表示」を設定します。
・カウント項目2つを追加します。
![](/upload/downLoad?key=asama/forum_496004368315715584/main/1627468555.jpg)
画面キャプチャの各列で、次の情報が確認できます。
①各Beauty Adviser が担当している顧客の数(顧客情報のユニークなレコード件数)〇
②各Beauty Adviser が実施したカウンセリングの数(カウンセリング情報のレコード件数)〇
③各Beauty Adviser がカウンセリングを実施した顧客の数(カウンセリング情報のある顧客レコードのユニークな件数)
ひとこと
長くなってしまいましたが、伝えたいことはこの 3点です。
・ユニークカウントは「ー」を数えてしまう。
・どうしても「ー」が混在しているレポートでユニークな数を確認したいときは、カウント項目を作成する。
・どのオブジェクトにカウント項目を作成するべきかあたりをつけられないときは、関係するオブジェクトに作って試してみよう!
レポート作成は、「慣れていない台所で、そこにある材料で定食を作る」体験に似ている気がします。わかったつもりでも、その組織独特のオブジェクト構成を前に頭を抱えてしまうことがあります。でも、作りたいレポートが作れたときは喜びもひとしおです。
今回ご紹介した方法以外に、もっと簡単な方法があれば、是非ともコメントなどで教えてください。
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