お客様のご相談から...
お客様より、Lightningでファイルをダウンロードするには、毎回ひとつずつファイルを開かなくてはならずとても手間がかかるので、複数を一括ダウンロードできないかという相談を受けまして、IdeaExchangeで
Mutiple file downloadという同様の要望を見つけました。

いつもの通り、DeepL翻訳ツール様に訳してもらいますと。。
Mutiple file download複数ファイルのダウンロード
In the attachments section with multiple files.
Have a checkbox next to each file so you can select multiple files then click on a button to download the selected files.
This way if you want to download multiple files you do not have to view each one.
添付ファイルセクションに複数のファイルがあります。各ファイルの横にチェックボックスを付けて、複数のファイルを選択できるようにし、選択したファイルをダウンロードするボタンをクリックしてください。こうすることで、複数のファイルをダウンロードしたい場合、それぞれのファイルを表示する必要がなくなります。
さらにSalesforceから以下のような回答が
I understand how this functionality can be useful, but we do not have this functionality on our roadmap for Files.
This could be achieved through Apex code, which some partners have done. I am re-posting a couple AppExchange solutions which were posted in the comments below:
この機能がどのように役立つかは理解していますが、Filesのロードマップにはありません。
これは、いくつかのパートナーが行っている Apex コードで実現できます。 以下のコメントに投稿されたいくつかの AppExchange ソリューションを再投稿します
ZaapITMass File Download:This Salesforce Labs app provides an Files related list and was recently updated to support multi-file download:
このSalesforce Labsアプリは、Files関連リストを提供し、複数のファイルダウンロードをサポートするように最近更新されました
※↑で「最近更新されました」とありますが、このコメント自体が3年前のものなのを追記しておきます。
”Filesのロードマップにはありません”とあるように、Salesforceで追加の予定はないようですね。。てことで、紹介されているAPPExchangeを見てみると「ZaapIT」と「Mass File Download」は有料のAppExchangeなのですが、
Enhanced Files Listは無料です!


AppExchangeの詳細を訳しておきますと...(長くなるので原文は画像のみで省略)

The Enhanced Files ListコンポーネントはLightning Experience および Lightning Communities のファイル関連リストをカスタマイズおよび拡張できる柔軟な Lightning Web コンポーネント ソリューションです。このコンポーネントは、ファイル関連リストが利用可能な任意のオブジェクトで動作し、レコード ページ、ホームページ、またはカスタム アプリ ページにファイルのカスタム リストを作成できます。
管理者は、コードを書くことなく、リストの動作の多くの側面を制御することができます
標準のFilesフィールドと、組織内の任意のカスタムContentVersionフィールドを含め、表示するフィールドを最大10個まで選択します。
子オブジェクトからファイルを取得する
複数ファイルのアップロードとダウンロードが可能
ワイドまたはナローのフォームファクターを選択
体験をカスタマイズするためのディスプレイの追加制御
複数ファイルのダウンロード以外にも子オブジェクトからのファイルも取得できるとは!
便利そうな予感…!
さっそく、学習用のDEV組織にインストールしてみました!
Lightningページにコンポーネントを追加
インストール後、追加したいオブジェクトページを開いて歯車マーク→[編集ページ]をクリックし、Lightningページ編集画面を表示します。
※今回は「商談」オブジェクトに追加してみます。
左のコンポーネント一覧の「カスタム‐管理」に「Enhanced Files List」が追加されているので、プレビュー画面にドラッグ&ドロップして配置します。
※右のサイドバーに追加してみます
右側のプロパティペインにてカスタマイズしていきます。

以下
Enhanced Files List Documentationを参考に各項目を見ていきますと・・
Card Label…お好きな表示名を設定できます。空白にしてラベル名を非表示にすることも可能でなようです。
Card Icon…デフォルトの標準のファイルアイコンからカスタマイズ可能です。こちらも空白にして、アイコンを表示しないことも可能なようです。
Update Files…チェックを入れると、コンポーネントのファイルアップロード機能がオンになります。チェックを外すとアップロードボタンが非表示になります。
Download Multiple Files…ユーザーが複数のファイルをダウンロードできるようにするには、チェックを入れます
Include Notes…リストにノートを表示する場合はチェック
を入れるInclude Child Records…子オブジェクトのファイルを表示する場合はチェックを入れる
Card Height…コンポーネントの高さをカスタマイズできます
Number of Mobile Columns Shown…モバイルで表示させるカラムの数を指定できます
Record per page…ページごとに表示するレコード数の指定
Column1₋10…表示する項目を最大10個まで選択できます。
とりあえず今回は目的の「
Download Multiple Files 」と気になっている「
Include Child Records」にチェックを入れ、
Column は「タイトル」と「作成日」、「説明」の3つだけ使用して設定しました。
ファイルをアップロードしてみる
上矢印のアイコンがアップロードボタンとなります。こちらをクリックするとアップロード画面が表示されます。

ファイルをドロップもしくは選択すると瞬時にアップロード設定画面に切り替わります。どちらも複数個のファイルアップデートが可能でした。

アップロード後の画面はこちら↓↓↓それぞれ①~⑤を見ていきましょう
①アップロードボタン… アップロード方法は前述の通り
②一括ダウンロードボタン… 後ほど詳細をみていきます
③ソートボタン… 設定したColumnと連動して昇順と降順と並び順を変更できます。
今回、Columnで「タイトル」と「作成日」、「説明」を設定しているので下図のようになります。
④詳細 …アップロードしたデータの画像と設定したcolumnが表示されます。データ画像をクリックするとデータのプレビュー画面がポップアップで表示されます。プレビュー画面から共有やダウンロード、削除なども可能です。
⑤Salesforce Filesへのリンクボタン…クリックするとファイル画面が開きます

※関連リストの「メモ&添付ファイル」を確認しますと「Enhanced Files List」に登録したファイルが格納されているのが確認できます。

子オブジェクトのファイルを取得するには...
コンポーネント追加時に「
Include Child Records」にチェックを入れるほかに、組織全体の設定が必要です。
アプリケーションランチャーから「Enhanced Files List」のLightningページを開きます。


編集画面は以下の通りです。この組織では最大18個まで選択可能と表示されましたが、ひとまず「取引先」「商談」「見積」「取引先責任者」を試しに追加してみました。

※設定後の商談レコードと子オブジェクトの見積レコードの関連リストです。
「見積」のファイルが「商談」レコードの「Enhanced Files」コンポーネントに追加されています。

ただし、「Enhanced Files」コンポーネントのColumnにどのオブジェクトのファイルなのか識別できる項目が見つけられず、、(これだよってわかる方がいたらぜひ教えてください)
それぞれ、上述の⑤Salesforce Filesを開き、「共有先」からではないと確認できない(しかもアイコンのみ)のがちょっと残念です。
例えば、、下図のように共有先のアイコンでどのオブジェクトレコードのファイルなのか確認できます。


ファイルを一括ダウンロードしてみる
上述の②のボタンをクリックしますと、ダウンロードするファイル合計数と容量が下図のような画面で表示されるので問題なければ「Download」をクリック

ダウンロード完了後の画面です。zipファイルでダウンロードされました。

任意の場所で展開して、完了!

ワンクリックで一括ダウンロードできるのはやっぱりありがたいですねえ~
ただし、こちらもタイトルは踏襲されないので、一つずつ開けて見ないとどのファイルなのかわからないのがこちらも少し残念。。
ちなみにタブに配置してみると...
いままで右サイドバーに配置した挙動を見てきましたが、タブに配置すると下図のような感じになります。
一括もしくは選択したものをダウンロードするか選択でき、レビューボタンでファイルをレビューできます。

感想
先に書いたように、ダウンロード後のファイル名が踏襲されていなかったりと残念な箇所もありますし、レビューを見ていると一括削除についても拡充が必要というコメントがあったりと今後のアップデートに期待ですが、それでも一括ダウンロードについての機能拡充はSalesforceで今後も予定はないようですし、子レコードのファイルが親レコードのファイルが確認できるのはかなりありがたいなと思いました。このAPPExchangeの情報が必要などなたかに届くと嬉しいです。