
久々にAccount Engagement(旧Pardot)の開発用組織にログインしたところ、オプトアウト済み項目の同期動作選択の表示が出ていました。
このオプトアウト項目同期オプションの対応期限は2023年11月ですので、多くの組織で既に対応されているかと思いますが、オプションの意味など含めて備忘録として掲載します。
オプトアウト済み[Opted Out]項目とは?
Account Engagement(旧Pardot)を使用していない方にとっては聞き慣れない単語かもしれませんが、設定・運用の中で大変重要となるものです。
オプトアウトの一般的な定義は、お客様に許可を得ることなく宣伝メールを送ることを意味します。
Account Engagement のオプトアウト済み項目の定義は、お客様(プロスペクト)宛に送ったメールをお客様(プロスペクト)が受信拒否する意思のことを指します。
つまり、Account Engagementのオプトアウト済み項目にチェックが入っている場合は「メールを送らないで欲しい」
反対に、チェックが入っていない場合は「メールを送って良い」という意思表示となります。
このオプトアウト項目の同期はこれまで様々なオプションが出ており、管理者としては対応が必要であったり、キャッチアップが大変だったかと思います^^;
Salesforceとの同期
今回対応が必要なオプトアウト済み項目のオプションは、Salesforceのリード・取引先責任者レコードとの同期に関わってきます。
例えば、Salesforceの取引先責任者・リードでは「オプトアウト済み」にチェックが入っているが
Account Engagement のプロスペクトでは「オプトアウト済み」にチェックが入っていない・・・
こんな時どうするの??Salesforceと
Account Engagement どちらの項目を優先するの??と、システムが迷わないように設定してあげないといけません。
オプトアウト済み[Opted Out]項目の歴史
これまでオプトアウト済み[Opted Out]項目には様々な変化がありました。
Summer’21リリース・メール可能性モデルのアップデートにより、「オプトアウト」項目と「メール送信除外」項目の関連付けがなくなる
(「オプトアウト済み」は、プロスペクトがメールで登録解除リンクをクリックした際に反映される挙動に)
Winter’22リリース・Summer’21リリース内容が強制適用される
◇SALESFORCE ヘルプ>ドキュメント>SALESFORCE リリースノート>プロスペクトへのメール可能性インサイトの改善 (正式リリース)Summer’23 ※最新の変更(2023年9月時点)・
最近更新された項目値をプロスペクトのオプトアウト済み項目のオプションとして使用できるようになる
・2023 年 10 月 18 日以降に作成されたビジネスユニットは、デフォルトで Account Engagement の値が使用される
・オプトアウト済み[Opted Out]項目を変更すると「最近更新したレコードを使用する」オプションは使用できなくなる
◇SALESFORCE ヘルプ>ドキュメント>SALESFORCE リリースノート>[オプトアウト済み] 項目の状況の使用オプトアウト[Opted Out]項目の同期オプションの設定
ここから本題の同期設定のお話です。
今、オプトアウト済み項目で選択できる同期設定オプションは以下の4つとなります。
(2023年9月現在)
1 Salesforceの値を使用する
2 Account Engagementの値を使用する
3 最近更新したレコード値を使用する ←もうすぐ使用不可
4 最近更新した項目値を使用する
←最新の追加オプション
公式ナレッジにはこのような記載が。◇Salesforceナレッジ>Account Engagement のオプトアウト同期動作の変更に関する通知お客様は 2023 年 11 月 15 日までに、同期動作をサポートされているオプションのいずれかに変更してください。
今後は、次の同期動作オプションのみがサポートされます。
・Account Engagement の値を使用する
・Salesforce の値を使用する
・最近更新した項目値を使用する [2023 年7 月 20 日公開]
既存のお客様は 2023 年 11 月 15 日までにこの項目の同期動作を、サポートされているオプションのいずれかに変更してください
の日までに選択しないと、プロスペクトの [オプトアウト済み] 項目は対応付けられず、Salesforce との同期を停止します
オプトアウト済み項目の同期オプションの設定をしていない組織では4つの選択肢が出てくるものの、結論は「Account Engagement の値を使用する」「Salesforce の値を使用する」「最近更新した項目値を使用する」の3つしか今後運用できなくなるようですね。
(つまり、「最近更新したレコード値を使用する」は使用できない)
2023年7月~2023年11月15日までは、「最近更新したレコード値を使用する」が表示されるようです。
調べていくと、どうやら「最近更新したレコード値を使用する」のバージョンアップが「最近更新した項目値を使用する」のようでした。
何が違うの?
「最近更新したレコード値を使用する」を選択していた場合の動きは以下でした。
Salesforce:メール送信除外項目がFALSE
Account Engagement:オプトアウト済み項目がTRUE
↓
Salesforceのメール送信除外項目がFALSEのまま、
その他の項目を変更しレコードを更新
Account Engagementのオプトアウト済み項目がFALSEに同期される
「最近更新した項目値を使用する」を選択した場合の動きは以下です。
Salesforce:メール送信除外項目がFALSE
Account Engagement:オプトアウト済み項目がTRUE
↓
Salesforceのメール送信除外項目をFALSEにしてレコードを更新
Account Engagementのオプトアウト済み項目はFALSEに同期される
という、レコード単位なのか、項目単位なのかの動きに変わりました。
しかし、「最近更新した項目値を使用する」を使用するには1つ注意点が。
◇公式ナレッジ>Account Engagement Opted Out Sync Behavior Change Notification注意: このオプションを使用するには、リードと取引先責任者のレコードの [オプトアウト済み] 項目で項目履歴管理を有効にする必要があります。個人取引先を使用する場合、マッピングされた [オプトアウト済み] 項目に対応する取引先項目の項目履歴管理を有効にする必要があります。
実際に「最近更新した項目値を使用する」を選んで保存しようとすると、このようなポップアップが表示されました。

Opted Out Field Sync Behavior
Field History Tracking is not enabled for the selected field. Field History Tracking must be enabled on both Lead and Contact to use the 'Use the most recently updated field value' Sync Behavior. See this help article for more information.
日本語訳:
オプトアウトされた項目の同期動作
選択した項目で項目履歴追跡が有効になっていません。「最近更新した項目値を使用する」同期動作を使用するには、リードと取引先責任者の両方で項目履歴追跡を有効にする必要があります。詳しくはこちらの
ヘルプをご覧ください。
つまり、「最近更新した項目値を使用する」を使用するには
項目履歴管理を有効化させる必要があるようです。
関連リストに表示される項目変更の履歴ですね。
Account EngagementとSalesforceそれぞれの「オプトアウト済み」「メール送信除外」に対する項目履歴の最新更新日時を追跡し、最新の更新日時の値に同期される仕組みのようです。
まとめ
1 今後のオプトアウト済み項目の同期動作は以下の3つより選択する
・Account Engagement の値を使用する
・Salesforce の値を使用する
・最近更新した項目値を使用する
2 「最近更新した項目値を使用する」場合は、Account Engagement・Salesforce共に項目履歴管理を有効化させる必要がある
3 本対応は2023年11月15日までが期限
もし対応がまだの組織がありましたらお早目の対応を!
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