「メールのプロンプト手順を追加」とは
「
プロンプトビルダー:セールスメールテンプレートを試してみたよ&「"""」を覚えておこう」で予告したとおり、今日の記事はセールスメールを有効化する画面にある「メールのプロンプト手順を追加」の設定の意味についてです。
※セールスメールを有効化する際、デフォルトで一緒にこちらの設定も有効化されるようですが、無効化することもできます。

設定名からすぐに理解することができなかったのですが、試してみたら難しいことはなく、
メールコンポーザでEinsteinに指示を出し、テンプレートを使わずにメールドラフトを作成してもらえるようになる、という話でした。
メールのプロンプト手順を追加を有効化した場合
【Einsteinを使用してドラフトを作成】をクリックすると、「メールの手順」という入力項目が表示されます。こちらに「自分の言葉で執筆するメールについて説明してください。」とあるように、ユーザー自身がプロンプトを入力してメールドラフト作成について指示を行います。

メールのプロンプト手順を追加を無効化した場合
【Einsteinを使用してドラフトを作成】をクリックすると、プロンプトテンプレートとメールのトーンを選択する項目のみが表示されます。

プロンプトテンプレートを使わないで、Einsteinに指示をしてみた
というわけで、直接Einsteinに語り掛けてどれくらいの精度でメールを書いてくれるのか試してみました。
取引先責任者の方へ、予定していたMTGのスケジュール変更をお願いするメールを作ります。
最初のプロンプトはこちら。
「体調不良のため、明日の14時(所要時間1時間)からお願いしていたMTGのリスケをお願いしてください。
・来週月曜の14時、16時、火曜の11時、14時のいずれかでオンラインMTGのスケジュールを再設定できないか、丁寧にお伺いしてください。
・日時は相対的に書かないでください。
・最初と最後に、ご迷惑をおかけすることをお詫びしてください。」
プロンプトを入力して、【ドラフトメール】をクリックします。

生成されたメールドラフトです。

隠しているのはユーザー名でございます。
「日時は相対的に書かないでください」の指示は活かされていないですね。
あと、なんとなく不自然というか違和感を感じる文でもあります。
プロンプトを修正
1回目の結果を受けて、プロンプトを修正します。【元に戻す】をクリックすると、生成されたドラフトが削除されるので、あらためて【Einsteinを使用してドラフトを作成】をクリックしてプロンプトを入力します。
2回目のプロンプトはこちらです。
「体調不良のため、明日の14時(所要時間1時間)からお願いしていたMTGのスケジュール変更をお願いしてください。
・次の日時のいずれかにMTGのスケジュールを変更できないか、丁寧にお伺いしてください。
・12月23日(月)14時または16時開始
・12月24日(火)11時または14時開始
・最初と最後に、ご迷惑をおかけすることをお詫びしてください。」

生成されたメールドラフトです。

「変更させていただけないかとお願い申し上げます」は不自然ですが、ここを手動で修正したらいけそうですね。【完了】をクリックして今回生成されたメールドラフトを採用します。
あとは手動でお直しします。

確認してOKだったら【送信】をクリックします。
メールのトーン(文体)および長さの調整
✨✏のアイコンをクリックして、メールのトーン(フォーマル・カジュアル)と長さを調整することができます。

「少しフォーマルにする」
同じ例で、「少しフォーマルにする」を適用してみます(表現があっているかわかりません)。

あまり変わらないですね。基本が「少しフォーマル」な状態なのかもしれません。
「少しカジュアルにする」

なんと、「Hi」と下の名前で呼びかけております。「幸いです」も「嬉しいです」に変わってますね。
「少しカジュアルにする」×「短くする」

名前で呼びかけつつとてもあっさりしたメールになっています。
「少しカジュアルにする」×「長くする」

名前で呼びかけるのはそのまま、より情に訴えるような内容になっています。
「少しフォーマルにする」
いったんドラフトをリセットして、修正後のプロンプトを入力後、「少しフォーマルにする」を適用します。

宛名はフルネームになり、とても丁寧な文面になっています。
「少しフォーマルにする」×「長くする」

「なお、今回のスケジュール変更により、プロジェクトの進行に影響が出ないよう、必要な調整を行う所存です。ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。」の一文が追加され、お客様が不安を抱かないようにフォローも行っています。
カジュアルは身内や親しい間柄には使える……のでしょうか?親しみやすさをはき違えないようにしたいところです。フォーマルに関しては、日本語のビジネスメールの学習データがしっかり揃っているのだなぁと思います。新人さんにとっては生成結果はバリエーションを学べる手段のひとつかもしれませんね。
ひとこと
プロンプトを試してみて、現時点でどこまでお願いできるのか掴み始めてきた気がします。何かを具体的に提案する以外のビジネスメールであれば人間が書いたほうが早いかもしれないですし、クイックテキストを活用したほうがいい場面もありそうです。ですが、人間にもコンディションがあるので、ちょっとしたメールでもタイプミスや間違いを起こしそうなメンタルの日には頼ってもいいですし、重要な情報を入力してEinsteinにメールを書いてもらうことで冷静にメールドラフトを見直すことができるので、本当にアシスタントとして助けてもらうような使い方が適切であると思いました。「こういう表現もあるのか」と学ぶ機会もありそうですしね。それでも、指針とメッセージは人間がしっかり理解していないと適切に活用できないので、人間もAIに負けないように勉強しなくてはいけないですね。
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