これまで出会ってきた上司や同僚のことを、ふとしたときに思い出すことがあります。素晴らしい姿勢を少しでも見習いたいと思った人、反面教師にしなくてはと思った人、本当に色々な人がいました。私も未熟者ですので、偉そうなことは言えないのですが、感情的になりそうだったり、またなってしまったときに、思い返すようにしてることを書きます。
すぐに不機嫌になる上司に相談はしづらい
Salesforceに関わる前のまだ若かりし頃、某コンタクトセンターのようなところで働いていたときの話です。ある程度の規模で問い合わせ対応の業務を行うときは、リーダーやSVなどを置き、段階的にエスカレーションする体制をしくことが多いですが、そこでも同様でした。
上司Aとチームメンバーは年齢も近く、和気あいあいとした空気でしたので、何も起こらなければ平和なときが続きました。問題は、何かトラブルが発生したり、議論の必要があるときでした。上司Aは、少しでも上司Aの意見と違うことを提案したり現行のやり方に対して質問をすると、たちまち不機嫌となり、「それは必要ないから」と会話を終わらせてしまうのです。そのうち、メンバーは仕事の相談を面倒に思うようになり、上司Aに対してほとんど何も言わなくなってしまいました。
その結果、メンバーは問い合わせの傾向から「もしかしたらサービスのシステムに不具合が起きているかもしれない」「チェック体制の見直しが必要なのでは」という、問題の把握と対応につながるような発見をしても報告せず、事が大きくなってから上司が認識し、部全体で対応に追われるようになりました。
気軽に相談できる空気は、自分のためにもチームのためにもなる
この上司Aは、きちんと話を聞いていれば、問題に対して早い段階で対応できたり、防ぐことができたかもしれません。積極的に見て見ぬふりをし、順調に仕事が回っているように装うことが、その上司の仕事になっているようでした。
実は、上司Aの上司Bは正反対で、誰の話でも仕事の手を止めて聞いてくれる人でした。「こういう問い合わせとこういう問い合わせが増えていて、こういう問題があると考えられます」と相談すると「それは早く対応しないとまずいね。すぐ担当者に連絡するね」という風に、問題の重要性をすぐに把握して対応してくれる人でした。中には緊急性の低い話題もあったかと思いますが、あらゆる情報がその人に集まってきました。部のモチベーションがあがりそうないい話は、明るい話題として皆に共有し、悪い話はすぐに現状を確認して対応を始めていました。逐一報告されても大変でしょうが、有益な情報を引き寄せ、仕事に活かしているようでした。
話を聞くときの態度ひとつで、MTGの空気が全然違うのです。別に気が合わなくても、楽しい上司や仕事仲間にならなくてもいいのですが、仕事について疑問点や悩み事を気軽に話せる空気はとても大切なのだ、とこの頃に学びました。
人の振り見て我が振り直せ
その当時の私と言えば、上司Aが管理していたもうひとつのチームのリーダーを務めており、合同でMTGを行うときにむこうのチームの空気が悪くなっているのを感じながら、よそのチームにどこまで関わっていいのかを考えていました。
私自身は上司Aとどうコミュニケーションをとっていたのかと言うと、「話を打ち切られそうだけど、これはきちんと最後まで話をしなければ」と思ったときは、上司Aの上司Bに同席してもらったり(上司Aから見れば嫌な奴ですね)、関連業務のチームの意見を聞いたり、何とか話し合いの場を持って最善策を検討できるようにしました。若かったので強引なときもありましたが、自分の役割を全うするために必死でした。今だったらもっとうまく立ち回れたかもしれません。目の前の上司の機嫌を取って、本当のお客さまを悲しませてしまっては、自分の仕事を誇れなくなると感じていました。私の社会人人生、そうなったらお終いです。モチベーションがマイナスになり、現実逃避に走る傾向を知っていたので、少しでも長く誇りを持って仕事をしたかったのです。
また、私もリーダーとして一緒に働いているメンバーの意見や相談を聞く機会が多かったのですが、上司Aの言動を見ていて、自分に対して反論しにくい立場の人の話を聞くときは、「高圧的にならない」「意見を伝えてくれたことに感謝の言葉を忘れない」「意見をそのまま取り入れられないときは、その理由を丁寧かつ嫌味にならないように伝える」「素晴らしい意見を伝えてくれたときには賛辞を惜しまない」の 4つを心掛けていました。今もこれを守れているかは、、、同僚の皆様へ謝罪しなくてはいけない気がします。
コミュニケーションコストは低いほうがいい
「でも舐められちゃいかんだろ!」というご意見もあるかもしれませんが、仕事の場において威厳だけで仕事ができる人はあまりいらっしゃらないと思うので、コミュニケーションコストは低いほうがいいです。
「コミュニケーションコスト」、検索すると定義が色々出てきますが、コミュニケーションにおける時間的・精神的な負担のことを指します。私は何かしら大事な話をしなくてはいけないときに「あ、この人(チーム)面倒くさい」と感じるとき、「コミュニケーションコストが高い」と判断します。仕事に面倒ごとは付き物ですが、「しなくていい苦労はしないほうがいいし、さけられる面倒ごとはできるだけ避けたい」のが人間ですよね。結果的に問題が解決するのであれば、上司Aと上司Bであれば上司Bに話をしたいのが人間の心情です。そしてその分の気持ちの余裕を、より良い仕事のために使いたいものです。
反省することが多く、書きながらも落ち込む一方です。仕事はやっぱり一人だけではできないので、気軽に意見交換をし、お互いの仕事のために協力しあえるような空気作りを目指したいと思います。
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