Salesforce 活用のご支援を生業としてから、ときどき私の周囲で発生するのが「Salesforce の管理者は兼務で可能か?専任がいいのか?問題」です。
会社の規模や形態にもよるので、一概にどちらがいいとは言えません。……言えませんが、あらためて考えてみました。あまり具体的ではなくて申し訳ないのですが、異業種から Salesforce 界隈へ転職を検討されている方の参考になれば幸いです。
Salesforce 専任で組織を支える👨🔧
比較的規模の大きな企業では、Salesforceを使った業務改善のチームが用意されていたり、管理部門やマーケティング部門の業務の一環として、Salesforceの活用・管理に専念されている方も見受けられます。
私個人の本音を言えば、とても羨ましいです。組織のために、どのような機能をどう工夫して使えるか、仕事の時間をその検討に費やすことができるなんて!組織として Salesforceに投資する方針があるので、リリースのたびに進化するSalesforce の学習についても理解があり、制度や時間的にも融通が利く印象です。
また、専任の方は、Salesforce や関連ツールについて深い知識をお持ちだと(勝手に)思っています。Salesforce サポートへの問い合わせや、ベンダーへの相談といった手段はありますが、最終的には自分たちで問題を解決しなくてはならないので、機能について熟知し、使いこなされているイメージです。
ですが、実際はその分果たす責任もあり、組織内のあらゆる業務内容を把握してあらゆる事態に万全に備えなければならず、各部門との調整も発生します。専任であるからこそ、自立しながらも協調し、ある程度の成果を出していくことを求められるので、安易に「羨ましい」と言ってはいけないですね。
兼務として必要なときに Salesforce の管理者になる👩💼
私たちがご支援させていただくお客様に多くいらっしゃるのが、こちらのパターンです。組織内でSalesforce 担当者としても指名されていますが、あくまでも営業や管理業務などが本務であり、Salesforceで管理したい情報に追加が発生したときや、エンドユーザからの要望をまとめて自動化やレイアウトの改修を行うときなどに、Salesforceをカタマイズされることが多いようです。
普段は自身もエンドユーザとして業務のためにSalesforce を使用されているため、ユーザの要望をよく理解しており、また実装からユーザへの展開についても、ご自身が深く関わっている部分ですと、とてもスムーズに行われる印象です。
ただ、本務が忙しいために、Salesforce担当者としての仕事に時間が取れず集中できなかったり、もともとシステムの操作に明るくない方は、自分の時間を Salesforce の勉強に費やさなければならず、大変な点も多いと伺います。
私の場合、具体的な設定案の検討およびテスト設定の検証などを行ってご支援することが多いですが、やりとりをするなかで、「兼務で担当されている方はマルチタスクをしっかりこなす優秀な方ばかり」という印象があります。また、業務の当事者である方が、それを視覚化する Salesforceの仕組みをわかっていることは、実際にレポート&ダッシュボードを素早く自分の手で作成できますし、ちょっとした改修であればすぐに実装されるので、とても展開がスピーディーな印象です。Salesforceの知識を深める時間は少なくとも、おおよその基本を理解されていることで、基本操作のスピードは確実に早くなります。
どちらにせよ、Salesforceを活用する意識が大事
色々書いてみましたが、結論、どちらの場合も、組織がSalesforceの有用性を理解しているかにかかっていると思います。
Salesforce専任のポジションを用意する組織では、もちろんSalesforceを理解して活用していくことの難しさと価値を理解されていらっしゃるのでしょう。組織全体で Salesforceを活用するマインドが備わっていれば、新機能の導入や大規模な改修を受け入れながら、進化していけるのだと思います。
兼務の場合でも、個人、または組織で「Salesforceの便利なところを活用していこう」という意識があれば、すぐに新機能の導入!とまではいかなくとも、その組織のペースで無理なく進化し続けられるのではないかと思います。
個人のスキルアップに焦点を当ててみても、その人の志向や、どのような働き方をしたいかによって、どちらが好ましいかは違ってきますよね。それでも、結局は幅広く必要な知識を得るために学習を続けるのは、どこでも何をしていても変わらないのではないでしょうか。
「Salesforceをメインにスキルアップしたい」と思っても、Salesforceを活用するために、データ管理のセオリーや様々なビジネス理論などについても学ぶ必要が生じた、というのはよく聞く話です。Salesforce単体の知識だけを深めても、必要な情報を理解して組み合わせなければ、活用とは言えないからです。
また、兼務の方の場合でも、本務の成果を目に見える形にするためにSalesforceの知識を身に着ける必要があるので、どちらかの割合が増えることはあっても、完全には切り離せません。
どちらも良さがあるので、Salesforce関連業務への転職を希望される方は、「組織としてどれくらい Salesforceを活用しているか、しようと思っているか」を見定めてやるくらいの気持ちでいいと思います!
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