フローの「変換」に可能性を感じてから時間があればフローを試作していますが、いまいち使い方を把握できず、総当たり戦のようにあらゆるデータ型や数式を試しております。
今日は、そのような試行錯誤のなかで確信しつつあるパターンのひとつについて書きます。
フロー「変換」ではレコードコレクションからID(テキスト)のコレクションへ簡単に変換できる
「変換」とお友達になろうとここ数日付き合ってみた結果、レコードコレクションからID、つまりテキスト項目を抜き出す処理は安心してお任せできることがわかりました。
私の場合、レコードの取得要素では「すべての項目を自動的に保存」を選択することが多いので、レコードコレクションから特定の項目のコレクションを取得するための処理が必要なのですが、
レコードの取得要素で初めから特定の項目の値を保存される場合は不要になります。
プレリリース組織で試してみました
「テキストコレクションということは、メールのCC、BCCのアドレスリストを作るときに応用できないのか」と考えたのですが、コレクションからリストへの変換がスムーズにいかなかったので、テキスト型のコレクション変数を使用できる「受信者ID」項目が用意されているカスタム通知を使ってみることにしました。
ちなみにカスタム通知の「受信者ID」でテキストコレクションを使用する場合、値の数は 500個までということです。「メールを送信」アクションのCC、BCC以外の受信者項目よりは、一度に通知できるユーザーが多いので、こちらのほうがより活用できる例かと思います。
やりたいこと
金額が10,000,000円以上の商談が作成されたとき、または商談が更新されて金額が10,000,000円以上となったとき、SVPロールのユーザーにカスタム通知で共有します。
「
Winter'25 フローの「メールを送信」アクションでCC、BCCが可能&受信者上限が150に」のときとほぼ同じです。最後のメール送信がカスタム通知に置き換わります。
作成したフロー
全体図でございます。

①、②については「
Winter'25 フローの「メールを送信」アクションでCC、BCCが可能&受信者上限が150に」のフローと全く同じですのて、本記事では割愛します🙇♀️
③変換:IDコレクションに変換表示ラベルとAPI参照名を入力します。

全部設定後の画面です
ソースデータSVPロールユーザーを取得(GetUsersSVPROLE)
【+】をクリックすると【リソースを選択】の画面が表示されるので、②のレコード取得でゲットしたレコードコレクション変数を選択します。
対象データ
データ型:テキスト
複数の値を許可(コレクション):チェック
データ型は「テキスト」を選択し、複数の値を許可(コレクション)にチェックを入れて【作成】をクリックします。

ソースデータの「Id」と、対象データを接続し、対応付けを行います。
④レコードを取得:カスタム通知を取得カスタム通知をフローで設定する際には、「カスタム通知種別 ID」の値が必要になります。取得および設定の仕方はいくつかありますが、今回はフロー内で取得します。
詳細はSalesforceさんのヘルプページで公開されておりますので、こちらもあわせてご確認ください。
◇ SALESFORCE HELP >カスタム通知をフローで送信する方法要点に絞って説明します。
このオブジェクトのレコードを取得>オブジェクトカスタム通知種別
カスタム通知種別レコードを絞り込>条件の要件すべての条件に一致
DeveloperName|次の文字列と一致する|DesktopMobileN
※DeveloperNameはAPI参照名のことです。[設定>通知ビルダー>カスタム通知]でカスタム通知種別が作成でき、API参照名の確認もできます。
カスタム通知種別レコードを並び替え並び替えなし
保存するレコード数最初のレコードのみ
レコードデータの保存方法すべての項目を自動的に保存
※今回は設定を簡略化するためにこの設定を選んでいますが、必要なのはIDの値です。
⑤カスタム通知:カスタム通知を送信こちらも要点に絞って説明します。
フローでのカスタム通知の注意点については、こちらの記事をご確認ください。
フローコアアクション「カスタム通知を送信」の気になるところ
カスタム通知種別ID④の「レコードを取得」要素からカスタム通知種別IDを設定します。
受信者ID③の変換要素(正確にはその対象データですが)を選択します。
通知タイトル必須です。わかりやすいタイトルを設定します。
通知本文作成しておいたテキストテンプレート(プレーンテキストとして表示)を選択していますが、シンプルな内容の場合は直打ちでもOKです。
ちなみに今回使ったテンプレートはこちらです。
対象ID{!$Record.Id}
フローをトリガーした商談レコードを指定します。通知をクリックしたときに指定したレコードのページに遷移します。
テストします
金額が10,000,000円以上を超える商談を作成すると

SVPロールのユーザーに通知が表示されました。

ひとこと
Winter’25にて、変換できるデータ型が増えたとありましたが、外部システムからの連携などがなくSalesforce内でのデータの変換または新規作成においては、まだまだループ&割り当てを使用したほうがいいという印象です。「変換」の数式を活用しての出力の加工など、フローの従来の数式とはまた少し趣が異なるようで、ループ&割り当ての代用ができるかというと部分的に置き換えられる場合がある、というのが正しいでしょうか。
それでも、ループは必要最低限に、ループの構成もシンプルにしたほうがいいというお約束がありますように、処理の負荷を減らすという意味では今回のようなレコードコレクションからテキスト項目を取り出す場面から使い始めてみていいと思います。
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